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板倉ブログ

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2018/7/25 七夕 (文月 July)


記録的大雨の後は例年より早い梅雨明けで猛暑が続いておりますが、
みなさん熱中症には十分お気をつけ下さい。
夏も本番を迎え、お祭りなど夏らしい光景を見る機会も増えて
参りましたが、今回は昔から慣れ親しんでいる夏の代表行事の一つ
である「七夕」についてご紹介します。



七夕は「たなばた」あるいは「しちせき」とも読み、古くから行われている日本のお祭り行事であり、
1年間の重要な節句を表す五節句の一つにも数えられています。
その起源には数多く説がありますが、①日本の神事であった「棚機(たなばた)」、
②中国に伝わる織姫と彦星の伝説、③中国から伝来した行事「乞巧奠(きこうでん)」の
3つが合わさったものと言われています。

①棚機(たなばた)
棚機とは古い日本の禊ぎ行事で、乙女が着物を織って棚にそなえ、神さまを迎えて秋の豊作を
祈ったり人々のけがれをはらうというものでした。 選ばれた乙女は「棚機女(たなばたつめ)」と
呼ばれ、川などの清い水辺にある機屋(はたや)にこもって神さまのために心をこめて着物を織ります。
そのときに使われたのが「棚機」(たなばた)」という織り機です。
やがて仏教が伝わると、この行事はお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるように
なりました。現在七夕という二文字で「たなばた」と当て字で読んでいるのも、ここから来ていると
言われています。

②織姫と彦星の伝説
琴座のベガと呼ばれる織女(しゅくじょ)星は裁縫の仕事、鷲座のアルタイルと呼ばれる
牽牛(けんぎゅう)星は農業の仕事をつかさどる星と考えられていました。
この二つの星は旧暦7月7日に天の川を挟んで最も光り輝いているように見えることから、
中国でこの日を一年一度の巡り会いの日と考え、七夕ストーリーが生まれたそうです。
ちなみに、七夕の夜少しでも雨が降れば2人は会えないと伝えるところや、雨は織姫のうれし涙で
雨の水で汚れが洗われるとするところ、2人が会えば疫病が流行るとして会わないように雨を願う
ところもあったのだとか。

③乞巧奠(きこうでん)
「乞巧奠(きこうでん)」は中国の行事で、7月7日に織女星にあやかってはた織りや裁縫が上達する
ようにとお祈りをする風習から生まれました。庭先の祭壇に針などをそなえて、星に祈りを捧げます。
やがてはた織りだけでなく芸事や書道などの上達も願うようになりました。


これらが合わさって平安時代には日本に伝わり、宮中行事として七夕行事が行われるようになりました。
やがて江戸時代になると庶民の間にも広まり、全国的に行われるようになります。
願い事を飾る笹や竹は、冬でも緑を保ちまっすぐ育ち生命力に溢れていることから、昔から不思議な
力があると言われてきました。神聖な植物ゆえにそこに神を宿すことができるとも言われているそうです。
そして祭りの後には笹や竹を川や海に飾りごと流し、笹や竹に汚れを持って行ってもらうという風習が
昔にはあったそうです。

七夕にまつわる物語は今回ご紹介したもの以外にも諸説あるそうです。
ただ願うだけではなく色々な角度から七夕行事を眺め、年に一度の素敵な行事を楽しみたいものですね。


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