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板倉ブログ

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2014/6/20 梅雨 (水無月 June)

辺りを覆うじめじめとした空気。厳しい暑さが続くかと思えば、不意に頭上に
広がる曇り空。そんな不安定な天気もこの時期ならでは、というものでしょうか。  「梅雨」、今年もこの時期がやってきました。

本当に梅雨なのか、と疑いたくなるような天気が日々続いていますが、今年は例年より少し梅雨入りが遅く、7月に入れば、晴れではなくぐずついた天気が続くと言われているようです。

憂鬱になりがちな梅雨ですが、ちょうどこの時期に活動を始める小さな命があること、皆さんはご存知ですか? 明りのない静かな闇の中で、幻想的な光の乱舞を見せてくれる、まさに夏の風物詩といえるもの、「蛍」です。 暖かい夜を好み、少し蒸すような、そして月夜のない曇りの日であれば絶好の活動日和と言えます。

私の記憶に残っているのは、幼い頃、兄弟と父と共に散歩に出かけた際、虫の様々な音色が響く闇の中で目にした浮かび上がるいくつかの小さな光。ふわふわと動き回る光に、幼いながらに感動したのを覚えています。

しかしこの蛍、成虫となり飛びながら光るのはわずか2週間。なんと儚い命でしょう。そんな儚く、尊い命ではありますが、小さな灯を目にした私たちに確かな感動と癒しを与えてくれるのは間違いないでしょう。

 最後に一つ、短歌を紹介します。
「音もせで 思ひに燃ゆる 蛍こそ 鳴く虫よりも あはれなりけり」
これは、言葉に出して思いを打ち明けられる虫より、思いを打ち明けられず。心の中で思いを燃焼させる蛍ほど哀れなものはない、という意味の恋の詩となっています。 わずか2週間。私たちに短い光の祭典を見せてくれる蛍は、一体何を想い、飛んでいるのでしょうか?

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