五山の送り火

残暑の候、いかがお過ごしでしょうか。

 

京都を代表する行事のひとつに、夏の夜を彩る五山の送り火があります。

毎年8月16日、京都を囲む5つの山に「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の順に点火され、ご先祖の霊をお送りするという、精霊送りの意味を持つお盆の行事です。

水やお酒の入った丸い盃に送り火を映しての飲むと無病息災に暮らせる、

消し炭を奉書紙に巻いて家につるしておくと、魔除け、厄除け、盗難除けのお守りになる

などと伝えられています。

 

五山の送り火のはじまりについては、あまり明らかになっていませんが、一説には、

戦国時代に盛んに行われた万灯会が次第に山腹に点火され、お盆の大規模な精霊送りの火となったのが起源と言われています。

文献においては、舟橋秀賢の日記「慶長日件録」慶長8年(1603)7月16日に見られる

記載がもっとも古いものとなっています。

 

このような歴史を持つ五山の送り火も、今年は規模を大幅に縮小して行われました。

全国各地の伝統的な行事も相次いで中止となり、帰省が難しかった方もたくさんおられたのではないでしょうか。

来年こそ、皆健康で例年通りのお盆を迎えることができるよう願っています。