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板倉ブログ

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2015/09/24 秋空(長月 September)

朝夕はだいぶ涼しくなり、少しずつ秋を感じられるようになってきましたね。

みなさんはどんな時に秋の訪れを感じますか?
私は空を見上げては、毎年秋を感じています。
昔から「秋の空は高い」といわれています。これはどこまでも澄み渡り突き抜けるような空を表現しているのですが、空の高さは1年中変化しないのになぜそのようにいわれるのでしょうか。


これは「晴れの出身地」が関係しています。夏から秋にかけて空が透明度を増します。
夏は南の太平洋に中心をもつ高気圧に覆われて晴れますが、秋になると大陸から移動してくる高気圧に覆われて
晴れるようになります。大陸育ちの高気圧は海育ちの高気圧より空気中に含んでいる水蒸気量が少ないため、空の青さが濃く、澄んで見えるのです。

春も大陸からの高気圧に覆われますが、春は雪や氷が融けたばかりで土や砂が舞い上がりやすくなっています。
一方、秋は夏の間に草木が生い茂るのでホコリが立ちにくくなり、さらに日射しが弱まって気温が低くなることで、
太陽で暖められた空気が上昇する対流の現象が起こりにくく、地面近くにある汚れた空気の層が空の低いところに溜まる傾向にあります。
風が強いとチリやホコリが舞って空の青さもくすんで見えますが、秋は1年で最も風が穏やかな季節で
大気も安定しているため、春よりも秋の方が空が高く澄み渡って見えるのです。

このような気象条件によって、秋の空は高く感じるのですね。
また、ふわふわとした雲が規則的に並ぶ高積雲(別名:ひつじ雲)や、筆でサーッと描いたような
巻雲(別名:すじ雲)は秋に見られる代表的な雲として聞いた事があるかもしれません。
これらの雲は上空の高い所で発生しているため、1年中いつでも見られる雲ではなく、
高く澄んだ秋の空でなければなかなか見られないのです。よって、秋の雲として紹介される機会が多いのです。

私は四季の中で秋が一番好きです。秋の楽しみ方は様々ですが、ふと見上げた空にも
秋を感じることができます。一瞬で過ぎてしまうこの季節を、
たまには空をぼーっと観察してみるのも秋ならではの楽しみ方かもしれませんね。

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