花火

夏の風物詩のひとつでもある花火。さまざまな色や形で楽しませてくれる花火が、いつどこで始まったのか、どんな仕組みになっているのかを調べてみました。

 

■花火のはじまり

花火のはじまりをたどると、中国、秦(しん)の始皇帝の時代(在位
紀元前221年~前210年)で使われた「のろし」だといわれています。「のろし」とは、遠くの人に煙を使って情報を伝える方法のこと。
また、唐(とう)の時代(618~907年)に熱などによって強く燃えたり、煙を出したりする火薬が発明されたことが花火のはじまりという説もあります。
今とは違って、元々は見て楽しむものではなかったようです。
今のような見て楽しむ花火は14世紀ごろにイタリアで始まったといわれています。
キリスト教のお祭りに登場した火花や音を出すしかけ花火のようなもので、やがて花火は世界中に広まっていき、さまざまな色や形が作られていくようになったそうです。

 

■花火の仕組み

花火にはいろんな種類がありますが、日本の花火大会でよく見られる打ち上げ花火の仕組みをご紹介します。

打ち上げ花火はまん丸いボールのような花火玉を火薬の力で高い空に打ち上げます。そして花火玉が空の上で爆発し、飛び出した火薬がキレイな色や形の花火になります。

花火玉の周りは、丈夫な紙を張り合わせてできた、玉皮というボウルのような半球形の容器になっていて、玉皮の中には花火の色や光のもとになる「星」とよばれる火薬のかたまりがキレイに並んでいます。

花火玉にはその他に、玉皮をこわして星を飛び散らせるための割り薬という別の火薬も入っていたり、割り薬に火をつける導火線が付けられたりしています。

大きな花火玉には、空に昇っていくときに光の尾っぽや小さい花を咲かせたり、ヒューと音を出したりするしかけ用の小さい花火玉がついたものもあります。

空に打ち上げられた花火玉は、導火線からの火が割り薬に伝わって爆発し、周りの玉皮をこわし、小さな火薬のかたまりの星が空に飛び出して、キレイな色で燃えながら広がっていく。

キレイな色を出す星は、中心にある芯の周りにいくつかの火薬を重ねて作られており、芯に重ねていく一つひとつの火薬は、燃えるときに出る色が決まっています。

赤く光る火薬、青く光る火薬、白く光る火薬…火薬に混ぜる成分の種類や量を少しずつ変えながら、さまざまな色を出す火薬を作り出しています。

そして、花火のできあがりをイメージしながら、いくつかの色の火薬を重ねて星を作っています。

 

花火について知ることで、花火を観賞する楽しみも倍増しますね。 また大空に打ちあがる花火が見れるのを楽しみにしています。